2023年1月8日に我が家の大切な猫ちゃん『いちご』が
お空に旅立ちました。
最期まで一緒にいて、お互いに出来ることは全部やった!
と言える後悔のない最期を迎えることが出来ました。
フランスでの看取り、亡くなった後のことなど
検索しても日本語での情報はなかなか見つからなかったので
誰かのお役に立てたらと思い記事にしました。
少しでも看取りの心配事が解消しますように!
大切なペットが余命宣告されたら・・
少しだけ我が家のいちごちゃんの話をさせて下さい
いちごはまだ私が日本に住んでいたときに
保護猫ボランティアの団体で預かりボランティアをしていた時に初めてお預かりした猫ちゃんです。
姉妹で公園に捨てられていた所を保護されました。
残念ながら姉妹はお空へ・・
そして、獣医師の誤診から長期入院することになり
脳性麻痺を発症しました。
脳性麻痺については先天的なものか後天的なものかはわかりません。
後ろ脚の力が弱いのでよく転んでいましたが
それでもトイレも自力で行って、たくさん遊ぶとっても明るい子でした。
預かり期間が1年になり、そのまま我が家の家族に迎え入れ
そして一緒に飛行機に乗ってフランスへ!
毎日幸せに暮らしていましたが
一昨年の2021年に左前肢に骨肉腫という癌が見つかり、悩んだ末に手術で左前肢を切りました。
ほとんど前脚の力で歩いていたいちごは
もう歩けないかもしれないと獣医には言われていたんですが
なんと自力で歩き始め、
また変わらない幸せな日々が始まったと思いました。
途中てんかん発作も始まりましたがそれもお薬で乗り越えてくれ
きっとこのままそばにいてくれるんだ!と喜んでいたところ
2022年末に急に呼吸が荒くなり、病院で余命宣告されてしまいました。
そこからはあっという間で、
それでも、もう亡くなっていてもおかしくないという状態の中
最期まで私たちと一緒に闘ってくれました。
余命宣告を受けるというのは本当に本当に辛いことです。
私たちは癌の時と呼吸がおかしくなったときの2回余命宣告を受けましたが
涙が止まらず、どうしていいか分からず、
本当に苦しみました。
それでも、今いちごのことを想って恋しくなったとしても
胸の中がふんわりと温かく感じられるのは
幸せだった!最期までやり切った!
という事実があるからです。
きっとあの時、ただただ泣いていただけでは後悔が残って
今も泣きくらしていたと思います。
余命宣告をされたら物理的にも精神的にも準備が必要です。
大好きなペットのためにも、家族のためにも、自分のためにも
しっかりと準備をはじめましょう!
大丈夫です!
看取りの際に用意しておきたいもの、こと
獣医としっかりコミュニケーションを取る
まずは獣医さんと方向性をしっかりすり合わせる事が大事だと思います。
最期まで治療を進めていくのか、それとも緩和ケアに集中するのか
そして治療をやめるタイミング、どう看取るか、
しっかりと伝えておかないと大きな後悔をするかもしれません。
私たちも質問したいことを事前に全部まとめておきました。
参考までに私たちが質問したことを載せておきますね^^
- 余命はどれくらいになるのか
- 可能な治療法とそれによりどれくらい余命が延びるか
- どれくらいの痛みと苦しさなのか
- それを取り除く治療はどんなものがあるか
- 自宅で出来ること
- 楽な姿勢は?(胸水が溜まっていたので)
- 他の薬と併用して大丈夫か
- この病気がたどる経過
- 急な発作を起こしたときはどうしたらいいのか
私たちは予め余命を延ばすよりも、苦痛を取り除くことに
集中したいと決めていたので、
獣医さんとしっかりと方向性を合わせることが出来ました。
最期までいちごに寄り添ってくれた獣医さんにとても感謝しています!
家族でしっかり話し合う
家族の間でも方向性をしっかり合わせておきましょう!
我が家は10歳の娘がいるのですが、
大人だけではなく子どもも交えて話し合いをしました。
私たちが話し合ったことは
- 治療方針をどうするか
- いちごの見取りのために出来ることは何か
- 購入しなければいけないもののリスト作成
- エンゼルケアの仕方
- 亡くなったあとの火葬や土葬について
- 家族の心のケアについて
- もう1匹の家族もみじのケアについて
ここですれ違ってしまうと余計なストレスがかかってしまいます。
余裕がないかもしれませんが
出来るだけ話し合いを済ませておくことをお勧めします。
子どもも家族の一員として役割があると
看取りの時間がやり切ったぞ!という
ステキな思い出に変わるかも
環境を整える
看取りはどれくらいの期間続くのか誰もわかりません。
なるべく長い時間一緒にいたい気持ちと、
いつどうなるか分からない爆弾を抱えているような
気を抜くことができない時間が続きます。
その時間を少しでも穏やかな物にするために環境を整えることはとても大切なことなのです。
家族のスケジュールを合わせる
私たちは夫婦で在宅ワークなので
一日中寄り添うことが可能でしたが、
お仕事や学校で家を開ける場合は
見守り用のカメラを置いたり、お友達や知り合いに留守を頼んだり
ペットシッターを頼む方法もいいかもしれません。
後述しますが、私が読んだ本では有給を使って看取りをした方の話も載っていました。
もちろん無理をせずに日中はペットが一人きりになる環境でも大丈夫だと思います。
私の両親がわんちゃんの看取りをしたときは
すでにリタイアをしていたので四六時中一緒にいたけど
買い物に出かけたほんの30分の間に息を引き取っていたことがあります。
それもその子が選んだこと。
どんな最期でも、それまでの楽しかった思い出や
大切にしたことがなくなるわけではありません。
大事なことは家族の中で見取りのためのスケジュールを共有すること
一人が抱え込むのは精神的にも身体的にもとっても辛く難しいので
休みを合わせたり、そばにいる時間を割り振ったりするといいかもしれません。
我が家は朝5時まで私が起きてそばにいて、
5時から、私が仮眠を終えるまで夫がそばにいてくれました。
そうすることで24時間体制で看取ることができました。
ペットの身の回りの環境を整える
ペットや私たちが少しでも快適に過ごせるようにしましょう。
いちごの場合は胸水がたまっていて溺れているような息苦しさを感じている状態だったので
獣医さんに聞いたり、インターネットで調べてなるべく楽な体勢を探しました。
左肺がほとんど機能していなかったので、
左側を下にして寝かせたり、頭を高くしたり、
抱っこして床ずれが起きないようにしたり、
真冬でしたが私たちは厚着をしてストーブを消して時々窓を開け部屋を涼しく保ちました。
いちごは最期の瞬間まで排泄はきちんとトイレでしたいという意思を感じたので、
もぞもぞ動き出したらいつでも何度でもトイレに連れて行ったりもしました。
あとは、毛布を買ってフカフカの寝床を作り、
少しでもリラックス出来るようにペット用のバッチフラワーレメディのルームスプレーを使ったり
いちごの寝床の横にマットを敷いて私が寝て、少しでも寂しくないように配慮しました。
私もいちごのことを最期の瞬間まで目に焼き付けておきたかったので
1週間ほどでしたが一緒に隣で眠れて幸せな時間を過ごせました。
その他に用意したものは
ペットシーツ、ツナ缶(いちごが大好きだったので)、液状のおやつ(最後までこれは舐めてくれました)、
小さいタオル(口元を拭いたり体を拭いたり)、などです。
食べ物や家事のことについて準備しておく
大切な家族が余命宣告されてしまうと
本当に悲しくて悲しくて、何も手につかなくなってしまうこともあるでしょう。
逆に忙しくしていた方が気が紛れるという方もいると思いますが
私は完全にパワーがなくなって何も手につかなくなってしまうタイプでした。
幸い夫がとても理解のある人で、
しかも忙しくしていたいタイプだったので雑多なことは色々任せられましたが
そうもいかないことの方が多いと思います。
そして、我が家は余命宣告が数時間から数日ととても短いものだったので
そこに全力で集中出来ましたが
もっと長い期間の看取りの場合はあまり集中してしまうと自分が参ってしまいます。
念の為を考えてレトルトや冷食に思いっきり頼ってしまいましょう!
フランスではpicard という冷凍食品で有名なお店があるので
そこで冷食を大量に買い込みました。
時々はきちんとご飯も作りましたが、
悲しくて悲しくて涙が止まらない時、
何もやる気が起きない時、
いよいよいちごが弱って終わりが近づいてきた時、
冷食が本当に役に立ちました!
皆さんもこんな時だからレトルトや冷食、家事のアウトソーシングなど
思いっきり頼って
自分とペットの時間を1番優先しちゃいましょう!
思いっきり手を抜くためにも、
家族との話し合いがここで効いてきます。
しっかり話し合いましょうね!
もしもの時の動物病院の準備
急変はいつ起こるかわかりません。
何かあったときにどこに連絡すればいいのか獣医さんに確認しておきましょう。
フランスではないですが、日本にいたときは
時間外に何かあった時のためにと獣医さんの携帯番号を教えてもらったこともあります。
今回は獣医さんが平日の夜8時までということだったので、
時間外の場合は救急動物病院まで連絡して下さいと
連絡先をいただきました。
ただ、動物病院に駆け込んで延命出来ることもあれば
移動中や病院で亡くなってしまう可能性もあります。
どんな症状のときは病院に駆け込むべきなのか獣医に相談して、
家族間でも、病院に行くストレスをかけてまで延命を望むのかなど予め決めておいた方がいいと思います。
いちごの場合は無理に延命をしても苦しみが増すだけということを
獣医さんからハッキリと言ってもらえていたので
家族でそれをしっかり受け止めて
弱っていくいちごを最期までお家で見守りました。
どの方法を選んでも、ペットはあなたの選択を恨んだりしないと思います。
自分を癒すものを準備
看取りの期間は本当に本当に辛くてしんどいものです。
私も食欲が落ちたり、眠れなくなったり、
目の前にまだ頑張っているいちごがいるのに
死後のことを考えて胸が潰れそうになっていました。
途中からは、今目の前で生きているいちごに集中しようと
気持ちを切り替えることが出来たのですが、
それまでが本当に本当に言葉では言い表せないほど辛かったです。
私は前述の通りに落ち込むと何も手につかなくなるので
まずは全ての予定をキャンセルしました。
そして、隙間時間にしっかりと自分を癒せるものを準備して
少しでも自分の心が折れないように努めました。
これは私のやったことリストなので、皆さんに当てはまるか分からないですが
参考になればと思います
- 電子書籍で『ワンピース』を一巻から買って読んだ
- 何も考えなくていい携帯ゲームを用意した
- 自分の気持ちをノートに書き出した
- いちごの動画や写真をたくさん撮った
- 太陽の光を必ず浴びた
- いちごを庭に連れ出して気分転換した
- 後悔しないように何度も何度も『大好き』と『ありがとう』を伝えた
- 家族の前でしっかり弱音を吐いてしっかり泣いた
ワンピースを選んだ理由は、
笑えたり元気になったり、感情移入出来て、
しかも長いから簡単には終わらないからです。
ワンピースにはかなり助けられました!
あとは太陽の光を浴びるというのはめちゃくちゃ大事なので
それだけはどんなに辛くてもやりました。
そして、いちごに気持ちを伝える。
これはペットロスにならないためにもとても大事なことだと実感しています。
実は娘の国語の教科書に
『ずぅっと、ずっと、大すきだよ』というお話があり、
年老いていくわんちゃんに、大すきだよと毎晩伝えたから
お別れの時に、大すきと伝えなかった家族よりもいくらか気持ちがラクだったよ
という、後悔しないために普段から大すきを伝えるのが大事だよというお話なんですが、
そのお話を読んでから、
大好きって伝えるのは大事だね!と家族で気持ちを伝え合うように気を付けていて
今回の看取りもそのお話を思い出して
めちゃくちゃいちごに気持ちを伝えまくりました。本当に。
そのおかげか、今後悔を感じることがないのかもしれません。
エンゼルケアをしっかりしよう
とっても悲しいことですが、
どんな人とも大好きなペットとも必ずお別れの時がきます。
ペットの看取りの時は、悲しんで終わりという訳にはいきません。
悲しくてたまらなくてもエンゼルケアというものがとっても大事。
エンゼルケアとは死後に起こる変化に対する処置をする事で、
主に死後硬直の前に身体を整えたり、きれいにすることが必要です。
まず、エンゼルケアのために私が用意したものからお伝えします。
- 安置するための箱(我が家は木の蓋付きの箱を用意)
- ペットシーツ
- アイスノン
- ミニタオル
- ブラシ
- コットン
その他にも箱に一緒に入れるために、
いちごの好きなおやつ、お花、遊ぶのが好きだった庭の木の枝、おもちゃなども用意して、
さらにお線香もフランスのAmazonから購入しました。
あとは我が家では使用しなかったですが
シャンプーシート、目が乾燥しないための目薬などを使う方法もあります。
次にエンゼルケアの手順です。
- 1 場所を移す
-
もし周りが汚れていたらきれいなペットシーツの上に移動しましょう。
死の直前に嘔吐したり排泄したりしてしまうこともたくさんあります、いちごはおしっこを漏らしてしまいましたのでしっかりペットシーツを敷いていて助かりました。
移動の際に体液が漏れ出てしまうこともあるので気をつけてください。
- 2 汚れている場合は素早く洗ったり、濡れたタオルで拭き取る
-
長い闘病生活で汚れてしまっていたりする場合はシャンプーをしてあげてもいいと思います。
最期は綺麗にしてあげたいですよね。
体がふにゃふにゃになっていて一人でシャンプーは難しいので二人がかりで身体を支えてあげるとスムーズです、
お湯の温度はなるべく低く、手早く洗います、そしてドライヤーでしっかり乾かしましょう!
でもドライヤーは冷風を使って下さい。
熱いと体の腐敗が進みます、そして水分が残っているとそれもまた腐敗につながります。
水を使わないドライシャンプーやシャンプーシートを用意しておくのも便利!
- 3 体液が出てこないようにふさぐ
-
ちょっと辛い作業になりますが、死後体液が色んな穴から漏れ出てくることがあります。
なので、できれば排泄させてお腹の中を少しきれいにしてから
肛門、お口、鼻、目などをコットンで覆います
娘いちごは最期の数日間便秘をしていたのでお腹を押して
排便を少しだけしました。
でも難しくてほんの少しだけにしました。 mikineko亡くなる直前まで食べたり飲んだりしていると体液が漏れてしまうことが多いみたい。
いちごは直前まで少しだけ食べていたけど、体液は漏れず。
目をつぶらせることが出来たので、肛門だけコットンで覆いました。 - 4 目や口を閉じて身体を整えてあげる
-
これまでの作業を手早く30分以内には終えてあげてくださいね。
死後硬直が始まる前に目と口を優しく閉じてあげましょう。
閉じてもどんどん開いてきてしまうので、瞼はじっくりと時間をかけて閉じてあげて
しばらくそのまま押さえてください。
口がなかなか閉じない場合はタオルなどの細くない物で(細いと跡が残っちゃうよ)
優しく縛ってしばらく置いておきましょう。
それから用意していた箱に優しく移動して、
寝ているような形に体を整えてあげましょう。いつもの寝姿にしてあげると
なんだかホッとしますよ^^
そして最後にブラシで毛並みをきれいにしましょうね!
- 5 アイスノンなどを入れる
-
猫ちゃんの身体をしっかり冷やすことが大事です。
夏は1日、冬は2日ほどきれいな状態を保てるそう。
この時に大事なのはお腹、頭、腰まわりをしっかり冷やすことと、
アイスノンにタオルを巻いて水分がつかないようにすること。
アイスノンは大量に買ったので、1日に2回くらい取り替えて冷たさを保ったおかげか
いちごはとてもきれいな状態で火葬場まで行くことが出来ました^^
夫いちごは日曜日に亡くなって、
火曜日に火葬だったので2日間お家にいました。
エンゼルケアが済んだら、
猫ちゃんの大好きなおもちゃやおやつなどを入れてあげましょう。
火葬の際には取り出さないといけないかもしれませんので
火葬場の方に予め聞いておくか、火葬の前に取り出しましょう。
私たちは、いちごの好きなおやつ、おもちゃ、娘からいちごの似顔絵、よく遊んだお庭の木の枝、
私からの手紙などを入れました。
最期のお別れの時間です。
目一杯撫でて、目一杯声をかけてあげましょうね!
後悔のないように!
それとなるべく早く火葬場やペットの葬儀屋さんなどに連絡しましょう。
まだまだ火葬はメジャーではない!フランスでペットが亡くなった時は
今回フランスで看取りをする時に一番困ったのが死後の対応でした💦
日本ではペットの葬儀や火葬はかなり一般に広まっていて、
個人で火葬に対応してくれたり、出張火葬や合同火葬など色々なサービスがあります。
でもフランスではキリスト教が一番多い国ということもあって
人の場合でもまだまだ土葬が多いのです。
なので、ペットの場合はどうしていいのか本当にわからない状態でした。
私自身はフランス語が出来ないので、日本語で検索するもほぼ情報が出てこず、
一件見つかったものも、フランスでペットの火葬をしたらとても悲しい結果になったというものだけ。
とても不安が募りました。
最期のお別れだもん、納得のいく形でお見送りしたい!
ということで、いちごの余命を知ってから、少し心に余裕が出始めたときに
夫に頼んで色々調べてもらいました。
方法その1『獣医さんにお任せする』
そこまで多くはないそうですが、
フランスではペットが亡くなった時はそのまま獣医さんの所に持ち込むと獣医さんが全ての手配をしてくれるそう。
1週間から2週間に1度くらい(病院によって違うそうです)
獣医さんが業者に頼んで合同で火葬をするのでそれまでの期間を冷凍庫で保存し
業者に引渡します。
お骨が欲しい場合はきちんと個別で火葬し、引き取ることも出来ます。
ただ時間がかかるし、冷凍庫で保存ということを考えると
私の中では、ないなぁ。。という選択肢でした。
料金は約170ユーロが相場のようです。
亡くなった後だとしても、いちごと離れて、
しかもいちごが嫌だった動物病院にたった1人で
いさせるなんて無理だと思いました!
方法その2『お庭などに埋葬する』
フランスは広いお庭があるお家が多く、
ペットが亡くなった場合はお庭に深い穴を掘って埋葬しお墓を作るお家がとっても多いです。
夫の実家でも猫ちゃんやわんちゃんを埋葬したことがあるし、
夫の友人たちもほとんどがお庭に埋葬していました。
我が家は今後他の国に移住する可能性もあるのでお庭に埋葬はやめましたが
お庭にお墓があることでお参りも簡単に出来るし、
お花で可愛く飾ったり、寂しさが紛れそうですよね^^
方法その3『火葬をお願いする』
まだまだメジャーではないですが少しずつ利用者が増えてきている火葬。
フランス全土には16の施設しか見つかりませんでした。
火葬業者には大まかに二種類あって、
実際に火葬を請け負う業者と火葬の手続きなどを代理してくれて、
火葬自体は別の施設にお願いする業者があるのでお問い合わせしてからお願いをしましょう。
しっかりとお別れの時間を作ってくれる業者や、
ただ受け取ってすぐに火葬してしまう業者などもあって本当にまちまちです。
下調べが肝心になるので、
余裕がなかったとしてもペットとお別れする前にしっかり調べて、
業者と連絡を取っておきましょう。
中央フランスでおすすめの火葬場
私が住んでいる古城通りのある中央フランスのアンボワーズ近辺ではほとんど火葬業者がなく
Anger(アンジェ)とOrléans(オルレアン)の二箇所だけでした。
両方に問い合わせをしてみたところ、
アンジェにある
『CREMANIMO』が条件にぴったりで、そして電話対応の感じもよく
こちらにお願いすることにしました。
そしたら、本当に本当に良いお別れの時間を過ごせたので
皆さんにもご紹介したいと思います!
女性スタッフの方が、優しく迎えてくれて
いちごが入っている箱をそのままではなくきちんと台車に乗せて
丁寧に中まで運んでくれました。
中もとってもオシャレです!
ここで受付や支払いをします。
この一番左の部屋で最期のお別れをします。
まず最初にスタッフの方がいちごを連れて行き、箱の中に入っていた物と一緒に
フカフカの台の上に乗せておいてくれます。
そして私たちを部屋へ招き入れた後は、気の済むまでお別れをして下さいと
私たちだけの時間をたっぷりとくれます。
感心したのは、全ての動作が丁寧でゆっくりで、ドアの開閉も静かに優しく行ってくれる気遣いです。
フランスでは中々出会えない気遣いです。
私たちはいちごにたくさん話しかけてキスをして、
優しく撫でました。
もちろん大泣きで。
そして夫がスタッフの方を呼びに行き、
スタッフの方は違う箱を持ってやってきました。
この箱の中にいちごを入れました。
その時も私たちの要望を全て汲み取ってくれて、彼女は一切口も手も出さずに見守ってくれ、
私と夫は、いちごの入っている箱の中に
ゆっくりとお花を入れて、手紙や思い出のおもちゃなども入れて
しっかりとお別れすることが出来ました。
最後に彼女が箱の蓋を閉め、箱の上にメッセージを書かせてくれました。
私たち家族みんなの顔を描きました。
いちごとの生活や看取りを精一杯やり切ったおかげで後悔はなかったけれど
やっぱり、いちごの体とお別れするのは本当に悲しくて寂しくて
嗚咽をあげながら泣いてしまいました。
大好きな顔も、いつもブンブンと体のバランスを取るために振り回していたしっぽも
いちごの体と同じくピンクと黒のツートーンカラーの肉球も、
最期まで頑張っていちごの体を支えてくれた前足も・・
もう2度と触れないのだと思うとお腹の辺りが苦しくて、ぎゅっと絞られるような感覚になりました。
そして、また台車に乗せられて、ゆっくりと火葬部屋へといちごは連れて行かれました。
火葬の間はこの部屋で1時間ほど待ちます。
テレビを見たりコーヒーを飲んだりも出来ます。
私たちはテレビを見ないでソファに座って泣いていました。
するとスタッフの方が来て、いちごの思い出話を聞いてくれて
夫と彼女は色々と雑談をしていました。
なんだか彼女の落ち着いた雰囲気がカウンセラーみたいだなぁと感じました。
他にも外にはお庭があって、そこにお墓もありました。
お骨を引き取らない方は、ここに散骨したり、
有料で、ペットの名前と写真を入れてお骨を納める場所もあり
色々対応してくれるんだなぁと感心しました。
火葬が終わった後は、お骨を入れて渡してくれます。
ここではお骨を拾うことは出来ませんでした。
というか、夫にお骨を拾う話をした時も、え?って顔をされたので
もしかしたらお骨を拾うという習慣自体がないのかもしれません。
サラサラの状態になったいちごのお骨は、
火葬場で購入したハート型の木の箱に入れられ、
私達の元へ帰ってきました。
添えられたネイビーのオシャレな紙袋にはICHIGOと書かれた白い紙がホチキスで留められており、
聞くと、種が埋め込まれた特別な紙なので、いちごの思い出にぜひ植えて下さいとのこと。
こういった細かいところまでしっかり配慮されていて、
本当に本当にこの火葬場を選んで良かったと思いました。
料金は、それぞれのコースで違うのですが、
私達は個別火葬、当日対応、お骨引き取りで大体4万円ほどでした。
ここの火葬場はこれからToursなどにも店舗を増やす予定だといっていました。
最期のお別れがしっかりと出来たことで、
私達の心の整理もつきやすかったと実感しています。
フランスでペットの火葬場を探している方のご参考になれば幸いです。
看取りをするときに読んだおすすめの本
私にとっていちごは初めての猫で、初めての看取りでした。
分からないことだらけで、何をどうしたらいいのか、
どう準備をして、心の折り合いをつけるにはどうしたらいいのか
本当にパニックだった時にこの本に出会いました。
頭の中がクリアではなかった時だったので、
まんがで読めるということは本当にありがたいと感じましたし、
必要なことは全て分かりやすく押さえてくれている本だと思います。
余命宣告を受けてしまった、老猫ちゃんと暮らしているという方の
心にそっと寄り添ってくれる本です。
他にも、本ではないですが
私の心を慰めてくれて、いちごの看取りの方向性を決めさせてくれたサイトがありますので
そちらも紹介させて下さい。
ブログオーナーのにゃぁこさんが発信している、
猫の看取りや病気についての知識が満載のサイトです。
にゃぁこさんの元に寄せられる、実際に看取りを体験した方からのメッセージも
たくさん載せられています。
何度も何度もこのサイトの記事を読み返し、
猫が亡くなる時にどんな風になるのか、どんな最期が幸せなのかなど
色んなことを知ることができ、
にゃぁこさんの優しい言葉にはたくさん慰められました。
そして、色んな方の看取り体験を読ませて頂いて、
1人じゃないんだ。と強く感じました。
猫ちゃんの看取りで心が辛い方、ぜひこちらのサイトを訪れてみて下さい。
看取り、ペットロスで苦しんでいるあなたへ
大好きな大切なペットとのお別れは、
想像を絶する苦しさです。
その深い悲しみと絶望感は波のように何度も何度も襲ってきます。
覚悟を決めたと思っても何度も何度もです。
今は今後訪れる別れに、苦しそうなペットの様子に、心が支配されているかもしれません。
あなたと、大切な子のこれまでの日々は幸せでしたか?
私も、余命宣告からしばらくは苦しそうないちごと、いよいよきてしまうお別れの時間だけにフォーカスしてしまい、いちごとの日々がどれほど愛しくて、どれほど幸せで、どれだけの喜びをこの子がくれたのかを忘れてしまっていました。
でも、いちごは確かに幸せな猫でした。
そして、私たちも幸せないちごの家族でした。
このままではいちごとの幸せな日々がお別れの悲しさに塗り替えられてしまうと思いました。
なので私達は目の前に今いてくれるいちごと、
最期まで一緒にいられる幸せな時間だけに集中することに決めました。
そのおかげで、いちごがどんなに可愛い存在か最期まで忘れずにお別れを言うことができましたし、
その後の私たちの生活も襲ってくる寂しさに、
いちごを思い出しては胸の中が温かく感じられるようになりました。
残念ながら、お別れは必ずきます。
私たちもペットも必ず最期の時がくるのです。
悲しいけれど。
だからこそ日々は愛しくて尊いものだと感じます。
辛い時は休みましょう。そして泣きましょう。弱音も思いっきり吐きましょう。
そして大切な子、大切な人に後悔のないように日々
自分の声を伝えましょう。
大丈夫です!
お別れしたあの子にも何度でも気持ちを伝えましょう。
どうか無理はしないで下さい。
自分の体を大切に、自分の心を大切に、
お日様を浴びて下さいね!
最後までお読み下さりありがとうございます。
この記事が辛い時期を過ごされている方の参考になれば幸せです!