【本のレビュー】エミリの小さな包丁

mikineko

こんにちは!ワクワクを旅するフランス在住イラストレーターの
mikinekoです😄
今回は森沢明夫さんの『エミリの小さな包丁』のレビューです!

こんな人にオススメ
  • 心が疲れている人
  • 海が大好き❤
  • 魚料理が大好き❤
  • 田舎の生活に憧れている
  • 失恋して胸が苦しい
  • 温かい交流に触れたい
  • 前向きな気分になりたい
CONTENTS

あらすじ

東京で一人暮らしをしていたエミリ。

上司との不倫の末、職場をクビになってしまった。

両親とは疎遠、唯一頼れる兄は海外で暮らしている。

住む場所も失いかけているエミリ、

兄からのアドバイスで10年以上も連絡を取っていなかった母方の祖父の家に居候することに。

辛い出来事に心も体も荒みきっていたエミリ。

海辺の田舎暮らしのやさしさ、人々の温かさ、

おじいちゃんの寡黙だけれどまっすぐな愛情。

日々の暮らしを丁寧に淡々と送っている祖父の姿に

エミリの心にも変化が現れて。。。

すっと心に染み込む文章

私は年に600冊以上本を読んでいます。(漫画も含む)

でも、実は文章を読むのが得意なわけではありません。

回りくどい表現だったり、例えば似たような名前が連発するロシア文学とかは

最後まで読めたためしがありません笑

内容はめちゃくちゃ面白いけど、文章が難解だとすごく時間がかかる・・

そんな本はつい、積読してしまったり・・

「エミリの小さな包丁」を読んで一番最初に思ったこと。

『読みやすい!!!』

文章が易しくて、優しくて、心にスーッと入ってくるんですね。

スラスラっと読めました^^

風景描写や心理描写が秀逸で、

まさに自分が物語の中にいるように引き込まれてしまいました。

でも何故か、主人公とシンクロするのではなく

透明な第三者として2人の生活の中に溶け込んでいる感じ。

ここからは少しネタバレも含みます。

風鈴の音が効いている

物語の中に風鈴が効果的に出てきます。

おじいちゃんが作る風鈴、

エミリの部屋に吊るされている古い風鈴、

神社の風鈴の音。

まるでエミリやおじいちゃんの心を映しているよう。

風鈴のエピソードが出てくるのですが、

うん、なるほど!納得!

風鈴がつなぐ絆ですね。

可愛らしさを感じる風景描写

すごくいいなぁと思った風景の描写がたくさん。

例えば

さっきまで青かった空はパイナップル色に変わり、その光を染み込ませた海水は、パイナップルジュースみたいにとろりと水面を揺らす。

エミリの小さな包丁

パイナップル色の空ってどんな感じなんだろう??

秋の始まりの、小春日和。

少しだけ陽が落ちて、

空の青に黄色が混じる。

青い空とオレンジ色の空の間の一瞬。

まったりとした甘ささえ感じてしまうようなパイナップルジュースのような海。

あぁ、可愛らしい表現❤️

そして、もう一つ。

今朝の海風は、さらりとした木綿の肌触りだ。真夏とは湿度がまるで違う。

エミリの小さな包丁

北海道の港町で、

窓を開けると海が目の前に広がっているような環境で育った私は

真夏のムシムシした感じを知らずに育ったんですよね。

でも、この小説の中に出てくる描写から

じっっっとりと絡みついてくるような蒸し暑さがしっかりと感じられ

季節が移り変わり、エミリの心境が変わっていくのと同時に

湿った風が木綿のような肌触りのサラッとした感触に変わっていく・・

この爽やかさを体験したような気持ちになりました。

ね!ステキですよね^^

優しさの中に毒

この小説に出てくる人たちは殆どが心の温かい優しい人達。

でも、そこに、エミリが都会で暮らしていた時の友人がやってきます。

そして、友人の「毒」が

エミリの生活をまた変えてしまいます。

小さな毒が、人々の冷たさ、優しさ、温かさを炙り出していく。

どんなことを聞いても最後まで態度を変えずに接してくれる人。

おどけながら励ましてくれる人。

寡黙な優しさでただただそばにいてくれる人。

そして、急に態度を変えて陰口を楽しむ人。

レストランでエミリとおじいちゃんがいることに気づかずに

噂話を楽しむ人たち。

それを聞いてしまう2人。

そんな時におじいちゃんがどんな対応をしたのか。

そこはぜひ!皆さんにご自身で読んで頂きたい^^

人生で大切にしたい言葉

エミリの小さな包丁の中には

これからの人生の指針にしたいなぁと思うようなことが色々詰まっています。

「幸せになることより、満足することの方が大事だよ」

エミリの小さな包丁

これはおじいちゃんの言葉。

幸せになりたいと願うことは決して悪いことではないけれど、

幸せを探している時はベクトルが自分の外側を向いているんですよね。

あそこに行ったら幸せになれるかも、

あんな風になれたら幸せ、

あれを持ってたら幸せ、

などなど、外側を変えて幸せになろうとしてしまいます。

満足という言葉を調べてみたら

「心にかなって不平不満がないこと、満ち足りていること」

つまり見つめるのは外側ではなく自分の心。

自分の心をしっかり見つめて小さな満足を重ねていくこと。

それが積み重なっていくと、自然と幸せになっているのではないでしょうか?

「周りを変える必要なんてない。自分の『うら』を変えれば、それがそのまま自分の人生を変えるってことだからな」「うん・・・」「なるべく、いい気分でいなさい」

エミリの小さな包丁

これもおじいちゃんの言葉。

起こる現実は誰に対しても変わらない。

それを楽しいと感じる人、つらいと感じる人、

違いはただの感じ方の違いなんですよね。

私もフランスで、めちゃくちゃ嫌な出来事があって、

鬱になりそうなほど落ち込んで

胃が痛くて痛くて病院に通うほど大変だった時、

しばらくはフランス全てが大っ嫌いになるほどだったんですが、

ふと、感じ方を変えてみようとそちらに集中してみたら

周りの優しさが見えてきて、あの出来事もきっと未来の私の役に立っているはず!

と思えることが出来ました。

気分良く過ごすこと、小さな満足を重ねること。

人生で大事な教訓です!

おじいちゃんはいつだって、わたしのことをいいとも悪いとも言わない。言わないことで、わたしの人生をわたし自身に決めさせているのだ。

エミリの小さな包丁

子育てをしていると、気をつけていても

どうしても子どもをジャッジしたりコントロールしようとしてしまう自分がいる。

コントロールというと、大げさに聞こえるけど

心配するあまり、色々お膳立てしてしまったり、口出してしまったり。

いい、悪いは人によっても違うし、時代によっても違う。

親がジャッジする必要はなく、

子どもが決めるのが一番だと思う。

そして、失敗したり間違えてしまったっていいんだ。

そうしたら、ただ話を聞いてそばにいてあげられる、

そんな母親になりたいと思います。

お腹がぐーっ鳴る!美味しそうな料理のオンパレード♪

エミリとおじいちゃんが住んでいるのは港町。

おじいちゃんとエミリで釣りをしたり、ご近所さんがお魚を分けてくれたり。

おじいちゃんは丁寧に包丁を研ぎ、淡々と魚を捌いて料理していきます。

その料理が美味しそうなこと!!

フランスの内陸部に住んでいる私は美味しい魚がなかなか食べられません・・

小樽出身なのに・・・泣

しかも、四国の方の港町なので

北の海出身の私に馴染みの薄い魚も!

読んでいるうちに、日本に帰りたくなりました。

(コロナのせいで3年近く帰省出来てないのです・・)

お魚好きにはたまらない料理がいっぱい出てきます❤️

夏美のホタルの作者だった!

実はこの小説を選んだ時、

作者の名前を見ずに表紙だけをみて読み始めました。

いわゆる「ジャケ買い」

(表紙の意味も最後に分かるとホッコリいい気分❤️)

読みやすいなぁ、いいお話だなぁ、と最後まで読み進めていったとき

最後の方に著者のあとがきがあり、

名前を見てびっくり!

あぁ、夏美のホタルの森沢さんかぁ!

読みやすさ、描写秀逸さ、納得しました^^

夏美のホタルもおじいちゃんが出てくるお話。

そちらの方もすごくいいお話なので読んでない方はぜひ。

映画化もされてますよね。

森沢さんの文章が大好きなので、

これから森沢さん作品を制覇しようと思います!!

mikineko

最後までありがとうございます😊
エミリの小さな包丁のレビューでした^^
これからもどんどんレビューしていきますので
楽しみにしていてくださいね♪

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